一昨日、門徒総代さんと打ち合わせをしている中で、総代さんの子どもの頃の報恩講の思い出話をしてくださいました。50年ほど前の話でしょうか。
 昔は、その年一番の楽しい行事であり、子どもたちも普段着ることのない晴れ着を着てお寺にお詣りしたようです。着慣れないものだから、お菓子とかをこぼして汚してしまい怒られたとか。
当時は3日間法要が勤まり、朝お参りに来られた人は夜までそのままお参りされたた方も多く、そのままお泊りになる方も。
そういえば、私が子どもの頃でも御院さんも皆さん泊まられてましたね。
報恩講夜

 そして、今は屋台は人形焼屋さん1軒だけが来られますが、当時は狭い境内に屋台が10軒以上もそろい、飴やおもちゃなどを売っていたようです。子どもたちはそれが楽しみで、みんな屋台目当てに来ていたようで、おもちゃとかを触ると、「おめーら、汚ねー手で触るなよ!」と店のおっちゃんに怒られたらしいです。そして、子どもたちが火薬ピストルなどを鳴らしたり、お寺の縁を走り回ったりするもんだから、本堂でお説教を聴聞している人はお説教の声が聞こえず、入り口近くに座ってる人は、反対を向いて「おまえら!静かにせーよ!(怒」と、子どもたちにお説教をするのが仕事だったらしいです(笑
なんだか楽しくほほえましい、古き良き時代という感じですね。
 それに比べて、現代は皆が忙しく、ゆったりとした時間は流れていないように思います。科学技術や医学の進歩、自家用車の普及や交通インフラの整備、テレビやインターネットでの即時の情報伝達や世の中のムダの排除などで、生活はとても便利に、そして短時間になんでもできるようになりました。ですが、昔の話を聞かせてもらうと、今と昔とどちらが良い悪いということではなく、失ってしまった喜びも沢山あるなぁと、しみじみ感じさせられました。